ウズベキスタンの東洋的(伝統的)バザール
シルクロードの時代より、ウズベキスタンでは、商いの精神が花開いています。東洋的(伝統的)バザールは、数世紀前と変わらず、商品、人、気ぜわしさに溢れています。それぞれの町にバザールがあります。そこには数百年に渡って、物の売り買いのために、人が集まっています。郊外には、その名が有名なことで町のバザールに劣らない、専門バザールがあります。絨毯、帽子、宝飾品、鳥のバザールなど。また、もっぱら馬だけを売るバザールもあります。
お菓子の国と呼ばれているのは、サマルカンドのシアブ・バザールです。バザールは、騒がしく、巨大で、遺跡の陰に隠れたところにあり、広い場所を占めています。バザールは、売り子と話し、冗談を言い合うようにと、客をいざないます。また、桑の実(マルベリー)ジュースを飲むようにと。搾りたてで、渋みがあり、ワイン色のこのジュースは、飲むと、舌や手が暗赤色に染まります。
特に楽しいのは、フェルガナ渓谷のバザールめぐりです。陽気で、愛想の良い売り子たちは、売り台越しに客を招き、快く会話したり、一緒に写真を撮ったりします。米にしろ何にしろ、どんな商品についての質問にも、売り子たちはその由来について、ひとしきり口上を述べます。なぜなら、彼らは、商品について、実際に知り尽くしているからです。
地方に位置するチュストには、最古のチュベテイカ(伝統的な帽子)のバザールのひとつがあります。職人がひとつの製品を作るのに、まる1週間掛かります。その後、製品はマハッラ前の交差点に持ち込まれます。そこには全国から客が集まります。なぜなら、唯一ここで、本物のチュストのチュベテイカを購入できるからです。この帽子を、人々は贈物として贈ったり、祝日にかぶったりします。
タシケントには、色とりどりのスパイスを山と積んだ店が、無数にあります。スパイスは、ウズベキスタンの諸地方、中国、インド、UAEからのものです。スパイスの品揃えがもっとも良いのは、チョルスーバザールにある、巨大なドームの中やエスキ・ジュワ商店街です。そこでは、おそらくすべてのスパイスを見つけることができ、買うことのできないものはありません。
東洋的(伝統的)バザールにはそれぞれ特徴があります。金と装身具は、ブハラで購入するのが一番です。同様に、帽子とウールの靴下はヒヴァで、ドライフルーツ、ノン(伝統的なパン)、お菓子はサマルカンドで、陶器、ナイフ、絹はフェルガナ渓谷で購入するのが一番です。